スーパーヴィジョン(SV)について

扉絵

スーパーヴィジョンとは

スーパーヴィジョン。

通称、エスブイ(SV)とも呼ばれる取り組みです。

 

心理面に関する支援の活動をする人は

誰でも、なにかしら自分の思いや迷いに直面するものです。

熟練者であるとか経験が浅いといったことは関係無く、

人間にとって、それは必然なのです。

 

その思いや迷いをケアし支援の活動を安定させていく、

それがスーパーヴィジョンであると私は考えています。

 

スーパーヴィジョンは、

心理的な支援を行なっている人(※下記1)と、

その支援を別の場所で一緒に支える役割の人(※下記2)と

によって成り立ちます

 

一口にスーパーヴィジョンと言ってもいろんな考え方があります。

今回は私なりの理解をお伝えしますので、ご参考にしてください。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)


スーパーヴァイジー(※1)とは

スーパーヴィジョンでサポートを受ける人は

「スーパーヴァイジー」と呼ばれています。

どこかで誰かに心理的な支援を行なっている人であり、

スーパーヴィジョンを申し込む側の人であるとも言えるでしょう。

 

心理的な支援に取り組む際も、スーパーヴィジョンにおいても、

自分自身の心を活かしつつ主体的に、という姿勢は重要です。

 

その逆の、受け身的、依存的・盲目的、事なかれ的、

といった姿勢におちいるのは避けなければなりません

これら主体的とは反対の姿勢は、心理面の支援での判断を鈍らせ、

マイナスの効果を生むことにさえ繋がってしまうからです。

 

スーパーヴァイジーは、

そのひとなりの実感、主体的な実感を軸に

取り組んでいくことが肝心です。

スーパーヴァイザー(※2)

スーパーヴァイザーと呼ばれるのは、

スーパーヴィジョンの機会を提供する側であり、

スーパーヴァイジーの主体性を守りつつ

活動を一緒に支える役割の人です

 

ここでの「主体性を守る」とは、

スーパーヴァイジーが

スーパーヴィジョンの場でも、その人の支援の取り組みの場でも、

受け身的、依存的・盲目的、事なかれ的、

とった姿勢におちいらないように気を配ることです

 

ちなみに、

スーパーヴァイザーについての解説に「熟練した」と

書かれている場合がありますが、

それが経験年数を指すとは言えません。

たとえ経験年数が長くても、役割を果たせなければ意味が無いのです。

 

スーパーヴァイザーは役割です。

この役割を果たすためには、

取り組んでいる分野についての知識や知恵が充分であるとともに、

それが全体の中でどう位置づけられているのか把握するセンス

求められるでしょう。

スーパーヴィジョンとは異なるもの

ここでは、スーパーヴィジョンとは区別される、

似て非なる取り組みを挙げておきたいと思います。

 

レクチャー(学習)研修会、スーパーヴィジョンとは異なります

もちろん学びはスーパーヴィジョンを通じてもありますが、

外から情報を入れることは、時として支援活動での主体性を損ないます。

理屈としては、カウンセラーが一方的なアドバイスをしないのと同じです。

 

カウンセリングも、スーパーヴィジョンとは異なります

スーパーヴァイジーの癒されたい気持ちをケアする面も

スーパーヴィジョンの中にはありますが、それが中心ではありません。

カウンセリングに比較的近いものに、教育分析という取り組みがあります。

心理的な支援を行なう人がカウンセリングを受けることも可能です。

 

あらためて

スーパーヴィジョンの意味を押さえておきましょう。

心理面に関する支援の活動をする人

思いや迷いをケアし、

その支援の活動を安定させていくもの

と、ここでは考えています。

資料の必要性/不必要性

スーパーヴィジョンでは、

スーパーヴァイジーが取り組んでいる支援の内容についての

情報をスーパーヴァイザーと共有する必要があります。

 

スーパーヴィジョンに臨むにあたって、

なにかしら資料を用意するべきでしょうか。

 

これについては、

スーパーヴィジョンを成立させるのに必要充分な要素」を

用意することが最善であると考えます

 

あくまで例えばですが、

心理的支援の内容がカッチリした仕組みなら

その仕組みの概要を示す資料が望まれます。

心理的支援が語りのやりとりで展開されているのなら、

話し言葉をフィルターを通さず書き出すなどして

共有することが望ましいでしょう。

全文の逐語録を求めるスーパーヴァイザーもいます。

一方、私は要所要所を押さえていれば充分と考えます。

場合によっては、一切の資料を用意せずに臨むことも可能です。

 

スーパーヴィジョンの成立に必要充分となる資料は、

スーパーヴァイジーの要望や、取り組みの内容によって、

おのずから決まることでしょう。

 

いずれの場合も、

準備の負担に無理の無い範囲であることは重要です。

苦行となるのも、主体性の損なわれるリスクが生じるからです。

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