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聴く技術(2)

扉絵

トラ&ミケ

トラ(左)「ネットで注文した棚が届いたんだけどさ」

ミケ(右)「へぇ」

トラ「それが写真と全然違ったんだ」

ミケ「そうなの?」

トラ「家族に話したら「ちゃんと確認しないのがいけない」って言われちゃった」

心理カウンセラー

鹿野の顔写真
鹿野(公認心理師・臨床心理士)

こんにちは。鹿野です。

 

心理カウンセラーは、

話を「きく」と書く時に、

「聴く」という漢字を使います。

 

トラとミケの会話を通じて

その技術の断片をお伝えしようと思います。


できごとの流れに注目

心理カウンセラーは、心の体験を理解しようとつとめます。

 

心は、出来事に対して次のような流れがあります。

(1)それより前

(2)できごとの瞬間の反応

(3)その直後の心の動き

(4)しばらく経って残った思いや気持ち

(5)体験を語っている今現在の気持ち

(6)その後の心の持ちよう

 

なお、これらはあくまでおおまかな分類であって、

すべての場合に当てはまるわけではありません。

猫たちの会話

トラ(左)「ネットで注文した棚が届いたんだけどさ」

ミケ(右)「へぇ」

トラ「それが写真と全然違ったんだ」

ミケ「そうなの?」

トラ「家族に話したら「ちゃんと確認しないのがいけない」って言われちゃった」

 

まずは、この体験の中心軸を

開封した際に「写真と全然違った」に置いてみましょう。

 

それより前に、なにを体験していたでしょうか。

商品を期待していたことが予想されます。

その期待はどのような思いからだったのでしょうか。

これはトラに聴いてみないと分からないでしょう。

 

できごとの瞬間

困惑でしょうか、それとも意外と冷静だったのでしょうか。

また、似たような体験を何度目かでしょうか、初めてでしょうか。

 

直後に感じたのは、腹立たしさでしょうか、落胆でしょうか、それとも…?

 

しばらく経って、どんな気持ちが残ったのでしょうか。

それはどう行動したかによっても変わるかと思われます。

 

家族からは「ちゃんと確認しないのがいけない」と言われています。

ここを、もうひとつの体験の中心軸と置いてもよいかとも思います。

 

さらに

それらの体験をミケに語りながら、気持ちはどう動くでしょうか。

 

いずれも心の動きには個人差があります。

「それは残念だったよね」という理解を返すことはあっても

きちんと体験を理解するには

トラの言葉を聴くことが大切でしょう。

体験を丁寧に聴く

相手の話すエピソードに

心の動くところを見出して

どう思ったか流れに沿って尋ねるのは

体験を丁寧に聴くことに繋がります。

 

聴くということ、心に寄り添うということ、

今回のブログがヒントになればさいわいです。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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