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絶望感とループ

扉絵

絶望感とは

『絶望感』とは、なんでしょう?

「絶望」という言葉に似ていますが、

「感」が付くので心のことです。

 

「もう、お先真っ暗だ」

「ここからは何の可能性も無い」

「最悪のみじめさだ」

 

そんな心境を生むのが

『絶望感』という感情であり、またそれに続く感覚です。

 

『絶望感』の感情が湧き起こり、それに呑まれている間は、

上に挙げたような思いが

ものすごく真実味をもって感じられると考えられます。

 

絶望と『絶望感』では、意味が異なります。

ここでは心の『絶望感』について記していきたいと思います。

ループとは

『絶望感』とともに、ここではループという

心におけるとらえ方を解説します。

輪になっている道をぐるぐると回るイメージです。

 

ひとの心は、くり返しに弱いという性質があります。

1回の幸運は「偶然かな」と思っても、

2回、3回と続くとそれが「当たり前」に思われてしまう。

くり返しが心におよぼす力は、幸運だけではなく

不幸においても当てはまります。

 

つらいことが1度だと「運が悪かった」で済むはずのところ、

2回、3回とあると、「こういうものなのか」と思い込んでいきます。

みじめさや痛みがしみ込んでいき、

それに抵抗したり、逆になじんでしまったり、

見えない心の苦しみを味わうことになります。

 

くり返しは、そこから抜け出せない感覚を生みます。

そして感覚は、ものごとのとらえ方を作っていきます。

抜け出せないという感覚やとらえ方(個人的な認識)を、

ここではループと呼ぶことにします。

 

『絶望感』とループの感覚および認識、

これらが近しい関係にあるのは、お分かりいただけますでしょうか。

絶望感とループ

「絶望だ」そして「この絶望からは抜け出せない」

そんな『絶望感』とループは、互いに強め合います。

さらに、それが心の中で真実味をもって感じられるのなら、

とてもつらく苦しいはずです。

 

少なくとも、そう感じることについては事実です。

その部分を否定すると、心は立場がありません。

 

そう感じるという事実を誰かと共有した上で

つまり、

いつでもその感じ方や気持ちを気兼ねなく話せる誰かとの関係性ができた上で、

その上で、

「絶望感とともに生じた思いだけが唯一の真実ではない」という理解を

自ら無理なく得ていくことが望ましいです。

 

上に書いた「その上で、」の順序は、とても重要なカギです。

 

絶望感にさいなまれながら

「率直にその思いを言える「誰か」なんて周りにいない」という方は

あきらめず

どこか相談機関を探してみていただければと思います。

心理カウンセリングもそのひとつです。

心の変化

心は簡単には変わりにくいものです。

 

たしかに、なにかしら衝撃的な良い体験で、

心持ちがガラッと変わることも、あり得ます。

実際、いきなり変わることが「無い」とは言えません。

すが、それでさえ、

心の中が一気に変わるというのは考えにくく、

なにかが残余としてあり続けてしまうことがあります。

例えば「考え方がポジティブにはなったけど、

実は『絶望感』に戻りたくない力が心の中で作用して

無理な活動をし続けている」、など。

こうした残余は、先に述べた順序をはぶいた時に生じがちです。

 

絶望感の湧きやすさやループの感覚やとらえ方から抜け出そうにも、

簡単にはいかない場合が多いでしょう。

数年、または生涯に渡って、

「あ、また絶望感だ」という自身の感情とつき合いながら、

そのたびに地道に修正していく方もいます。

 

個人個人で事情が異なるので

これ以上、どういう取り組みで脱却していくのかなどは書けませんが、

このブログがいくらかご参考になればさいわいです。

鹿野 豪 (公認心理師・臨床心理士)

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※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

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