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感化について(後編)

自己正当化の扉絵

 >> (前編)はこちら

 

(前編) では、

『感化(かんか)』 と呼ばれる心の働きについて、

そして、

その効能や、

リスクについて書きました。

 

なにかや誰かに「『感化』される」というのは

日常で頻繁には使わない言葉だとしても、

その現象は

一般的言っていいと思います。

それを改めて

心理学で捉えなおしたのが (前編) の内容でした。

 

それを踏まえての (後編) です。

 

(後編) では、

心理カウンセリングなどの

心理的なサポートの場面における

『感化』 の意味について掘り下げて

理解を深めていきましょう。

 

まず初めに、

ひとつ、

確認しておきたいことがあります。

 

心理的なサポートが目指すのは、

なんでしょうか?

 

私は折に触れて、

「心を活かすこと」だと述べてきました。

ただし「これが正解です」というものではありませんので、

さんなりに、

心理的なサポートの目標と

なるものを思い描いてみてください。

 

さて、

心が弱っていて、

誰に心理面のサポートを求めていいか分からず、

心細かったり、つらい孤独でいた人が、

「ここに、自分の求めていた人がいた」 と思えた時、

その相手に対して

ある種の『感化』が生じるのは、

決しておかしくはありません。

 

『感化』とは、「これは自分が求めていたものだ」と感じ、

「自分の中にも取り入れよう」とする心の働きでした。

 

確かに、『感化』には、

心地よさや心強さを覚えたりする効能があります。

その現象そのものは悪いことではありません

 

元々が『感化』を受けやすい人もいますし、

『感化』されやすい状態になることもあります。

それもまた、悪いことではありません

 

問題が起こるのだとすれば、

『感化』が、

心を活かすという目標を、

一時的や部分的にではなく、

長期に幅広く

さまたげてしまう場合がある

という点です。

 

どういうことでしょうか?

感化と依存

確かに、『感化』によって

気持ちが安定していけば、

心が活きることにも繋がり得るでしょう。

それは良い面だと思います。

 

一方、

相手の言うことを

なんでも取り入れようとしたり

なんでも受け入れようとするのは、

心が活きていく取り組みとして

理に適っているでしょうか?

度が過ぎれば

依存のような状態」 になります。

 

そうやって生じた 「依存のような状態」 は、

元より

心理カウンセリングを求める心理状態に

あったことを考慮すれば

「依存という新たな課題(問題)が生じてしまった」

と言っても過言ではないでしょう。

 

そこは紙一重です。

いくら気を付けていても、

他者に依存しやすい人は、

してしまいがちです。

 

それでも、心理カウンセリングが

心を活かしていくことを目標にするのであれば、

『感化』 の

「心における効能」と

「問題」は

見極めて、区別していくべきなのです

 

「どうやって?」と尋ねられると、

個人差や状況の違いがあるため、

「その時々で適した工夫をしていきます」としか

答えられないのですが…。

 

それなりの資格を有した心理カウンセラーには、

自分という人間に相手を依存させて

満足するような人はいない、と信じたいところです。

 

続いて、

心理サポートの資格を持った専門家ではなくとも、

取り組みの枠組みが整っていれば、

感化』 は非常に有効

という話を書きます。

当事者会、自助グループなど

実際に、心理カウンセラーよりも

『感化』 の効能を引き出す力に

優れている人たちがいます。

最後に、そういった人たちを紹介します。

 

苦しい境遇をくぐり抜けてきた人に

「サバイバー」 という呼び名がある

というのはご存知でしょうか。

「当事者」 という言葉もあります。

 

「サバイバー」や「当事者」の方々には、

同じ境遇に身を置く他の人を

自然と『感化』する力があると考えられます。

 

そういった人たちが集まる

グループ・ミーティング(会合)

皆さんの住む近くにございますでしょうか?

 

もちろん、ただ集まれば良いというわけではなく、

適切な運営を行なっているところに参加ください。

尊厳を対等に尊重し合えることが重要です。

 

ご参考にしていただければ幸いです。 

※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

 他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。   

鹿野 豪

川越こころサポート室のロゴ

シリーズ:心理アセスメント概念

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