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心的エントロピーとは(後編)

扉絵

簡単に上手に下げる方法があるなら苦労しない

「『心的エントロピー』が高い」

と言うと、

整理されていない心に

やり場の無いエネルギーが充満して

パンパンな状態といったイメージです。

 

決して良い状態ではないのです。

 

解決するためには

「高まった『心的エントロピー』を上手に下げれば良い」

考えるのも無理はありません。

 

「ガス抜き」なんて言葉がありますが、

その都度、たまった心のエネルギーを適度に抜いてあげれば、

心が参ってしまったりせず、勢いあまった判断をせず、

保っていられる、という発想です。

 

「心を静める」という言葉があるように、

気持ちを落ち着けてエネルギーを下げるイメージもあるでしょう。

 

その人なりに満足のいく心のエネルギーの使い方を

見つけるというのも良い解決策に思われそうです。

 

いえ、それらの考え自体は間違っていません。

ですが

間違ってはいけないのは、

そんな簡単に上手に下げる方法があるなら

当事者は誰も苦労していない、というのが実情なのです。

 

いろいろ工夫しても『心的エントロピー』を低く保てない、

また無秩序な心にエネルギーが湧いて流れてきてしまう…、

自分の心がコントロールしきれない、

すると、

だんだんとそんな自分に嫌気がさしてくることに繋がります。

繰り返しの中で徐々に、もしくは、あるとき突然に、です。

 

高い『心的エントロピー』のもたらす

問題のひとつめ、

それは「自分に嫌気がさしてくる」ことです。

安易な判断をしてしまう

基本的な方針として

『心的エントロピー』の高い状態から、

「本人」「誰か」のいずれも犠牲にならないような

良い形にもっていきたいのだと考えます。

 

ですが、心は

なにかしら

心のエネルギーを使える目的や方向性を見つけて

早くスッキリしたい、と働きがちです

 

そこに

安易な判断をしてしまいかねない危険性があります。

感情をからめた動機で

つい冷静さを欠いたまま

思い込んだり、行動してしまう、

そんなあやうい判断のことです。

 

客観的に言うなら、

本人も含めて誰かが幸せにならない考えをもったり行動をとるということです。

例えば、

攻撃性が外に向く場合も、内に向く場合もあるでしょう。

こちらもまた

直接的なものもあれば、じわじわと進行するものもあるでしょう。

 

この短絡的とも言える「安易な判断」を、

高い『心的エントロピー』がもたらす問題の

もうひとつに挙げたいと思います。

心理カウンセリング

『心的エントロピー』に関して、

事情はひとそれぞれでしょう。

心のケアも、ひとそれぞれと考えます。

 

心理カウンセリングでは、

ひとりでは抱えきれない

『心的エントロピー』の高まりを含め

心についての

サポートを受けることができます。

 

基本的な取り組みには、話すこと、語ることです。

ご相談ください。

鹿野 豪

川越こころサポート室のロゴ

※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

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