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心の情報処理速度

扉絵

それぞれの人がそれぞれの心を持っています

 

心は目に見えませんし、

自分のものでありながら

すべてを自分でコントロールできるわけではありません。

 

それでも心とは一生つきあっていくことになります。

なので、

これからも皆さんと一緒に

心の働きについての

理解を深めていければと思っています。

 

今回のテーマは

心の情報処理速度です。

心の情報処理速度

最新のパソコンだとどうなのか分かりませんが、

このブログを書いている時点での

パソコンというのは

たくさんの情報処理を同時に行なおうとすると

スムーズに進まず

やたらと時間がかかったりするものです。

 

心もそれに似て、

一度にできる情報処理は限られていると言えます。 

心の性質

時として多すぎる情報、

つまり多すぎる刺激が一度に

心にかかってくることがあります。

 

もしそれがパソコンであれば、どうでしょう?

すごく時間がかかったり

再起動でやりなおす必要があったとしても、

機能が足りてさえいれば

最終的には目的の作業が完了するのでしょう。

機械は

勝手に目的を設定し直したりはしません。

 

心はちょっと違います。

ここがとても重要なポイントですが、

本人の意志と関係無く

勝手に目的を差し替えるなどして

落としどころを見出すこともある

それが心なのです。

「やろうとしてたのに」

ここで例をひとつ挙げてみましょう。

 

なにか「自分の力でやりたい」状況だとします。

ひとに口出しされたくないわけです。

でも実は内心では躊躇していたり、

「うまくできるだろうか…?」と葛藤を覚えていた、

その時に

「早くやらないの?」とせかされたなら、

「やろうと思ってたのに、言われてやる気が無くなった」

そんな風に

心が思わず反発してしまうのも無理のないことです。

 

周りの人からはこう見えるのかも知れません。

「なにもそんなに短絡的にならなくていいのに」と。

しかし、「早くやらないの?」は

その時点の心理状態では処理しきれない情報だったのです。

 

こういった現象は、決して珍しくないでしょう。

そこに誰かの心がある限り

実は

日常のいたるところで当たり前のように

同じような現象は起きています。

情報が多すぎて処理が追い付かずに

本来の思いからブレてしまう。

いちいち気にしていないかも知れませんが、

心を持つ私も、あなたも、無縁ではないのです。

心の理解

機械と違って心は

処理できる量を超えた刺激にさらされた時、

働きが遅くなるばかりでなく、

その間に自覚無く

目的を差し替えたりもしてしまう

そんな性質を持つものなのです。

 

上にある

ブログの表紙のイラスト(いらすとやさん)では、

情報処理を、物を箱に入れる作業に例えました。

これになぞらえて言うのなら、

「どう入れようとしていたんだっけ」

といったように

じっくりと充分に心のペースに無理なく

思い返す時間の余裕あると

望ましいのかも知れませんね。

心に機会を

「瞑想が良い」と聞いたことはありますか?

確かに効果に個人差はあるでしょうけど、

一日の中のどこかに瞑想する時間を設定すると、

上に書いたような心の弱点に関して

いくらか補われるのではないかと期待されます。

 

パソコンであれば、

熱を冷ましたり、

作動しすぎたシステムを整理して

かかりすぎた負荷を下げることがあります。

 

人間の心にも、整える機会を考えてみたいものです。

 

散歩やジョギングで身体を動かす。

深呼吸をする。

好きな味のお茶を飲んでみる。

音楽を聴いて、少し身体を揺らしてみる。

 

その際、なんとなくの惰性ではなく、

意識的に「これは心を休息させている」や

「落ち着きを増すため」と思ってみると

より良いのではないでしょうか。

 

心理カウンセリングも同じ意味で、

対話などを通じて

心を整える機会を提供しています。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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