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心因とは

扉絵

身体面や行動面で、なんらか不具合があるとします。

その不具合の発生に

主にが関与している場合には

心因(しんいん)

心因性(しんいんせい)という言葉が用いられます。

 

たとえば、

ある人のなにかの能力が

本来よりも確かに低下しているとします。

身体面や行動面でどうしても

本来のようには働かないのです。

その原因が病気やケガなどではなく、

心因によることがあるのです。

 

ストレス。

傷つき。

こだわり。

悩み。

ブレーキになるなにか。

などなど…。

 

それによって

動かない、痛む、本来のようにいかないなどが起きます。

 

これらのように挙げていくと、

実際、様々な心因があります。

それらいくつもの意味の心因が一度に絡むことも多いのです。

 

そうなると心のこととして取り扱い解消していく

『心理療法』という取り組みが望まれるでしょう。

それは心理カウンセリングの中に取り入れられています。

心因性の見極め方

では、どうやって

「病気やケガなどではなく」、

「心因によるものである」と見極めるのでしょうか。

 

この判断は肝心なので流れを押さえておきましょう。

 

基本的には、

お医者さんとの問診で不具合の成り立ちを確認したり、

検査を通じて身体面の疾患が存在するかを調べます。

 

問診や検査の結果、

医療の対象となる病気やケガによるものであれば、

治療を受けて改善を目指す流れになるでしょう。

 

重要なのは

早合点で「きっと心理的な理由に違いない」とみなして

病院やクリニックの受診を怠る

とはならないようにすることです。

そこに病気や怪我か隠れてるかも知れませんから。

心身症とは

このブログでは心因という現象を解説していますが、

似ている言葉で

『心身症(しんしんしょう)』というものをご紹介します。

 

『心身症』

心理的な理由が認められるものであり

かつ

目に見えて医療的な治療を必要とする身体の状態

の総称です。

 

心が関係している部分は心因との共通点です。 

ただし、

先に注目するところは身体の状態と言えるでしょう。

 

たとえばストレスが原因で胃の内壁が荒れた場合。

そんな胃潰瘍は『心身症』の代表例としてよく挙がります。

まずは身体面の治療。

そして、それとともに環境のストレスを減らす調整を試みたり、

心理面の回復も考えていくことが必要でしょう。

 

『心身症』では、

「目に見える治療をする病気なのだ」

そちらだけになり、

心の面を無視してしまうと

根本的な解決に繋がらない危険性があります。

 

心と身体の両方の回復、いわゆる心身の回復がカギです。

受診の際に

これから書くことは、あくまで私見です。

誰かを批判したいわけではありませんが、

ただこれが残念な現実なのだとは思っています。

 

このブログを書いている現時点では

心のつらさに対する理解度に差があると感じています。

 

あるお医者さんは、

心に絡んで不具合が生じている状態を

ありのままに理解し、

対応を一緒に考えてくれることでしょう。

 

その一方で別のあるお医者さんは、

検査の結果で何も異常が出ないと、

それだけで

「異常は無いですね。ただの気のせいじゃないですか?」や

「気持ちの問題ですね。あとは自分でがんばってみてください」といった

言葉をかけることがあるというのです。

それは、いわば心因の軽視です。

 

そんな対応によって、ガックリきてしまうこともあるでしょう。

一緒に検討していきましょう

 

もちろん

心因の面を軽視するべきではないと警鐘を鳴らすお医者さんも

数多くいらっしゃいます。

『心理療法』に精通されたお医者さんも

いらっしゃいます。

 

それでも

いまだ

「検査で異常は無いですね。気持ちの問題じゃないですか?」

といった

心因を軽視した言葉を受診時に聞かされた、という話は

枚挙にいとまがありません。

 

心因による不具合も内容によっては

心理カウンセリングのみで対応が可能なものがあり、

その一方、

精神面の助けになるお薬と心理カウンセリングの併用こそ

効果的であると医学的に認められているものもあります。

 

心因の絡む悩みにおいては

理解のあるお医者さんに出会うことは重要です。

「セカンド・オピニオン」という考え方もあります。

また、心理カウンセリングでも

心因について検討していくことができます。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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