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SOSを伝えて

扉絵

いじめ、DV、虐待、ハラスメント…、

 

それらにあうと精神的に追いつめられてしまいます。

そんな時

あなたは誰かに「助けて」と伝えられるでしょうか?

 

「「助けて」なんて言えるわけがない」と思われているなら

きっと、解決や脱出にいたるまでのイメージが

頭の中に浮かんでいないのでしょう。

 

「「助けて」と言える相手がいない」と思われるなら、

それは、まだ見つかっていないのです。

 

助けが必要な時、信頼できる相手に「助けて」と伝えても良いのです。

 

※DV(ディーブイ)=夫婦や交際相手などの近しい間柄で起こる

身体、精神、経済、性に関する暴力。

危機の自覚

いじめも、DVも、虐待も、ハラスメントも、

被害者の弱みにつけこむところがあります。

加害者の一方的な理屈によって。

 

いじめ「こんなの、いじめじゃないよな?」

DV「おまえのためなんだ」

虐待「親の言うことには絶対に従え」

ハラスメント「このくらい常識だ」

 

言い返せない雰囲気の中で、

される側の心を追い込んでいきます。

 

また、

威圧的で恐怖を感じさせる行動や言動は、

される方の心を萎縮させて、弱らせていきます。

 

いじめ「うるさいな、黙れ。バカじゃないの」

DV「言うこときかないと生活費を渡さないからな」

虐待「くちごたえすると殴るぞ

ハラスメント「居場所をなくすぞ」

 

そんなひどい傷つく言葉を受けると、

抵抗する気力はそがれてしまうでしょう。

 

なにがなんだか分からなくなり、

心が重くなっていても、

そんな危機的な状況を自覚できなくなり、

対処する行動に移ろうとも思えなくなってしまうのです。

自責(じせき)や悲観が浮かぶ

いじめ、DV、虐待、ハラスメント、

それらを受けて、

心が傷つき、無力感におちいり、疲れ果てた人の

頭の中に

ふいに浮かぶのは、

「自分が悪いんだ」

「こんな世の中にいたくない」

といった自分を責める考えや悲観的な考えです。

 

いいえ、それは被害を受けて

そう思うようにさせられたのであって、

悪くないし、この世に居場所は見つかるのです。

 

ちゃんと安心できる場で、安心できる人間関係で、

時間をかけて心を癒すことが大事なのです。

 

一度でも自責や悲観にとらわれると、

心の中は急には切り替えがきかないものです。

ひとを信用できなくなったり、

「どうせ自分はダメなんだ」と自己卑下がとまらなかったり、

ポジティブな変化が怖く感じてしまうなども、

起こるかも知れません。

 

自責や悲観から抜け出すのに時間がかかるとしても

それは仕方ありません。

部品の取り換えがきく機械ではなく、

心のことだからです。

リアルに脱出

状況を変えるために、

いじめをしてくる相手や、

DVをしてくる相手や、

虐待をしてくる相手や、

ハラスメントをしてくる相手の

いるところから脱出して

距離をとるという方法があります。

 

相手と距離をとれば、

時間とともに心境も変化してくるでしょうし、

視野が広がって、新しい生き方も実感できてくると

考えられます。

 

逃げるようで悔しくて嫌かも知れませんが、

これも選択肢のひとつです。

 

では、どこにどうやって脱出するのか?

となると、

ひとによって事情は異なるので、

すべて、あなたの事情で進みます。

 

「学校でいじめられてる、転校したい」と親に言って

「うちにはそんなお金ありません」と返されたとしても、

いきなり絶望してはいけません。

 

「今の家を脱出しても、帰れる実家は無いし、

相手を怒らせたら怖い」といった悪い考えがあっても、

それにとらわれすぎずに冷静な思考で段取りをしていきましょう。

ひどい相手なら警察の方々に護ってもらいましょう。

 

「子どもが親の元を離れられるわけがない」と思うかも知れませんが、

親だけが大人ではありません。

思いやりをもって保護してくれる人たちもいるのです。

 

「会社のハラスメント対策はあてにならないし、

人事異動もきっとダメ。でも仕事は辞められないし」と

思うのも無理はありません。

ですが、心身は一生もの。ボロボロになる前に逃げるもアリです。

 

信頼できる大人と、なにか策を練るのです。

 

もちろん脱出だけが方法ではありません。

ですが、

「いざとなったら脱出して距離をとる方法もある」という考え方は

頭の片隅に置いておいていただきたいのです。

「SOSを発しても良い」というのと同じように。

誰に頼ることができるか

(1)身の回りの人

私の意見としては、

すぐに極端な行動には移さないでいてくれる人、

まずはあなたの語る事情によく耳を傾けてくれる人が良いと思います。

 

(2)公的な機関

市の担当窓口が一般的でしょう。

ここでも、あなたのペースで自分の事情を話せる

相手であることが大事だと思います。

 

(3)民間の団体

いじめ、DV、虐待、ハラスメントなどの問題解決に取り組んでいる

団体が各地にあります。

 

それぞれ、できることとできないことがあります。

 

心が弱っていると頼れる人にすがりたくなるもの。

誰に頼ることができるかは冷静に見極めていきましょう。

心にとってのリアル

いじめ、DV、虐待、ハラスメント…、

そういったものを受けたために、

心が傷んでしまうことがあります。

 

トラウマという言葉をご存知でしょうか。

 

ぐっすりとは寝られなかったり、

暴力的なものにおびえたり(例えば映画などでも)、

人間不信、

自信が持てない…、

いろんな心の難しさを引きずってしまうのです。

 

心理カウンセリングには、

いじめ、DV、虐待、ハラスメントを受けていたり、

かつて受けていた方が

心の立て直しをするために訪れます。

※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

 他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。    

鹿野 豪

川越こころサポート室のロゴ

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