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自分の感情とつきあう

感情は、心理学でも大きなテーマです。

私も心理ブログで取り上げてきました。

>> 感情について

>> 理性と感情について

>> 感情のベクトル

 

今回、また少し書き足したいと思います。

感情によって良い悪いがある?

良い感情、悪い感情、

そういった区別はあるのでしょうか。

 

たしかに、

感情と、『快の感覚』や『不快の感覚』が連動することはあります。

喜びが笑顔に繋がり、悲しみは泣くことに繋がります。

笑顔は人を和ませたり、泣くのは悲嘆へと関連づいたり…

それらはあると言えます。

 

感情を、良い・悪いと意味づける考えは

そういうところからでしょうか。

 

しかし、

例えば「喜びの感情は良い」

「悲しみの感情は悪い」といったように

意味づけて評価するのは、

心理学的にはまったくオススメできません。

感情を評価しない理由

心の中に存在する要素たちには、

主張と言えるようなものもあります。

まるで人のように。

 

感情もそれぞれに、

あたかもその存在をかけて

主張があります。

 

「怒ってるんだ」「悲しい」「虚しく思える」「これは大事にしたい」

 

そんな風に意味のある感情を

頭ごなしに「良い」「悪い」の評価で決めつけると

心の中でこじらせることがあり得るのです。

また、

主張を無下にされたり無視されるのも、

それもまた、こじらせたりするのです。

 

人が頭ごなしに評価されたり

主張を無下にされたり無視されたとしたら、

それが後まで忘れずに尾を引いたりするでしょう。

心の中の感情も同じです。

 

人間社会の都合や価値観で、

心の中の感情という要素を

良い悪いなどと評価しないことが肝心です。

ありのままの感情 理想と現実

感情は、心の中に湧いてくるものです。

 

理想を言えば、心にとって良いのは

「ありのままの感情とつきあう」です。

 

ですが、現実として

ありのままの感情は難しい面もあります。

感情は理性をのみこんでしまう時もあるし、

社会的に認めてもらえない状況もあります。

人によっては

心の中にアンビバレントや葛藤を持つ場合もあるし、

感情の性質に不慣れな場合もあり、

混乱を覚えたりもするでしょう。

 

これが感情を取り巻く理想と現実です。

 

ただ、工夫によって「ありのままの感情」と

つきあうことを目指しましょう

ポイントは「むき出しの感情」と区別することかも知れません。

 

感情の湧いた瞬間でなくとも大丈夫。

自らの感情との付き合い方について、

素直でいられる安全な場や人間関係の中で

じっくり時間を掛けて検討できると良いでしょう。

抑えられない感情について

感情にも大きさの程度があります。

 

悲しみが大きすぎて悲嘆にくれてばかり。

怒りが大きすぎてトラブルを引き起こしがち。

喜びが大きすぎて浪費してしまう。

 

これでは自身が感情に疲弊して滅入ってしまうか、

心が勝手に二重三重に対処して問題が複雑になることもあります。

 

大きすぎる感情への対策方法はいくつかあります。

・医学的な補助を求めて医療を受診する。

・刺激を受ける環境からできるだけ離れてみる。

・感情で悩んでいることを打ち明けてひとりで抱え込まない。

心のケアを検討する。

  

なにかしらの感情が噴出したのを

自分で「恥ずかしい」とみなして

うやむやに隠そうとしたりすると

同じつらさの繰り返しが起きやすいのです。

感情とのつきあいかた

感情は心に湧いてくるものです。

それを良い悪いで評価しないことが肝心。

 

どんな感情も「自分の中に湧いてるんだ」と

否定せずにおけると良いと思います。

 

感情が大きすぎるつらさについて

「そんな自分が悪い」と自分を責めるようでは

つらいでしょうし、ドツボにハマります。

「自分自身がそれで悩んでいる」というとらえかたで

上の項を参考に対策を考えてみてください。

理性と感情の心理カウンセリング

心理カウンセリングは、

日常とは異なる、心にとって守られた場である

という特徴があります。

 

そこでお気持ちに寄り添いながら

感情にまつわる心のケアをいたします。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

>> はじめまして

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※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

 他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。  



シリーズ:心理アセスメント概念

『いろんな主体性』


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