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シュラ・コンプレックスとは

扉絵

コンプレックスとは

コンプレックスは、

いまや「劣等感」の意味で使われていますが、

元々は「裏に隠された深層心理」といった意味です。

 

きっと「こういう行動や発言をするのはコンプレックスからだ」

と言う時に、劣等感の場合が多かったので定着したのでしょう。

 

『シュラ・コンプレックス』のコンプレックスは

元に立ち返って「裏にある深層心理」の意味です。

 

また、わざわざコンプレックスという言葉を使う理由は、

その心理が、二重三重にこじらせやすいからでもあります。

 

劣等感(コンプレックス)の場合も、

そこから変に強がったり引け目に感じたりなど波及します。

 

その深層心理から心の中も、他者との関係性も

複雑にこじらせてしまうというわけです。

シュラの世界観

シュラは漢字で修羅と書きます。

戦いの神・阿修羅のことです。

 

凄惨な戦いが続くのを修羅道と言ったり、

目を覆いたくなるような激しく争う状況を修羅場と言ったりします。

 

修羅の世界観というのは、

常に戦いがあり、

完全なる弱肉強食の厳しい世界なのだと言えます。

世界観について

人はそれぞれ世界観を持っています。

どのようにこの世界を認識しているか、

それによって主観も影響を受けます。

シュラ・コンプレックスとは

シュラ・コンプレックスとは、

心の奥底で、

「この世界は、常に戦いがあり、

完全なる弱肉強食の厳しい世界なのだ」と

いう世界観を強く持っていて

そこから本人の心中や周りとの人間関係を二重三重に

こじらせている心理状態を指します。

こじらせ方

実際には世の中は、

人と人が協力し合ったり、気持ちが通じ合ったり、信頼関係を築いたりもします。

そんな可能性があるのがこの世界です。

ですが、シュラ・コンプレックスでの主観はその逆の世界観です。 

 

不信、猜疑心、勝利至上主義、支配欲、自己愛に固執する、

そんな要素が奥底にあります。

 

そして、

勝ち負けにこだわりすぎたり、

「ごめんなさい」を言えなかったり

(言うと負けという信念があり耐えられない)、

上下関係でしか人間関係を構築できなかったり、

暴言や暴力的な振る舞いに頼ろうとしたり、

信頼や愛着や甘えなどを邪魔なものとみなしたり

といった心理からこじらせていきます。

カウンセリング

シュラ・コンプレックスがあったとしても、

その色眼鏡をかけて生きているようなもので

おのずから自覚をいきわたらせるのは難しいと考えられます。

「みんなも、そういうものじゃないの?」と思っていることもあるでしょう。

 

うっすらとでも心当たりがある方は、

これからの心の持ちようや生き方について

カウンセリングで検討していくことができるでしょう。

 

また、周りにこの性質が強い人がいる場合にも

乱された気持ちを整理するためにカウンセリングをご利用ください。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

 他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。    

※ 似ている概念に『タイプA』というものがあります。

 ただし、タイプCでもシュラ・コンプレックスに当てはまりうるので

 シュラ・コンプレックス=タイプAとは考えてはいません。


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