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心のものさし

扉絵

私の手元にある定規には

「センチメートル」や「ミリメートル」のめもりが付いています

海外の定規では「インチ」といった単位も使われていると聞きます。

  

今回は

心の中のものさし、『価値観』についてお話です。

価値観について

同じものごとでも、とらえ方は個人個人で違います。

 

『価値観』は、ひとそれぞれ。

同じものごとに対しても、ひとそれぞれ。

「これは自分の心の中で、意味が大きい」であったり

「これは自分にとって、意味合いが小さい」のは

人によって違いがあるはずです。

 

『価値観』は心の中に自然と生まれます。

自分自身の感覚から導き出した『価値観』もあるでしょう。

外の価値観を知って作られた『価値観』もあるでしょう。

 

『価値観』はどんな働きをするでしょうか。

例えば、

なにかを判断する際の基準となったり、

よりどころとなったり、

感じ方生き方にも影響します。

さらには、

「『価値観』に縛られる」というように、

心を自由ではなくしたり苦しめたりもします。

個人の価値観

実際の定規であれば目盛りが変わってしまっては困りますが、

『価値観』は、

ある程度は変わるから良いという面もあるようです。

状況に応じて切り替わったりもします。

それに、いつのまにか更新されたりもします。

 

ただし、

そうした『価値観』の変化や切り替えというのは

外から無理やりに強制されて取り入れるのではなく、

本人が自分から気づいたり取り入れていくことこそが

重要だとも考えられます。

心はおのずから納得した『価値観』に適応する性質があるからです。

 

無理やり教え込まれた『価値観』であったがために、

あとになって心に不具合が生じたりするというのは懸念されますし、

この世の中で、よくある問題なのかも知れません。

 

本当に腑に落ちた『価値観』であるというのはカギですが、

確信できない場合や、『無自覚』の場合もある

というのが難しさです。

 

ちなみに

自ら「これは良い」と感じて『価値観』に取り入れる心の働きを

心理学では『感化』と言います。

相手は人でも物でも出来事でも、なんでも、

例えば「〇〇に感化されてちょっと価値観が変わった」と使います。

 

また、『価値観』は『自尊心』とも非常に密接です。

大事にしている『価値観』について、それが守られると

『自尊心』は維持されたり高まって心を安定させます。

 

『価値観』は心にとって

ものさしであると同時に、それ自体が大事な要素と言えます。

自分の価値観とそれ以外の価値観

誰もがそれぞれに『価値観』を持っていて、

「自分と他の人との間で『価値観』にズレが生じる」、

「たとえ『価値観』を強制したとしても、相手の心にズレが生まれかねない」、

これらは実際の人間関係や社会生活で起こり得ることです。

 

そうすると、

「『価値観』をどううまく調整するか」という考え方になるでしょう。

『価値観』は心のこと。

その調整は、できれば時間と手間をかけてじっくりと。

『価値観』の変化に関しても

心の他のことを置き去りにしないためにそれ相応に。

 

時には、『価値観』にまつわる思いをひもときながら。

時には、『価値観』に関する理解を深めながら。

時には、今の関係性の中で。

時には、過去の関係性を振り返りつつ。

心理カウンセリングの可能性

人に心がある限り、

この世から『価値観』というものが無くなることはありません。

 

心の中の『価値観』と上手につき合えるように、

そして

心に無理せずそれぞれの『価値観』を持ちながら生きられるように

心理カウンセリングでも

心の取り組みのお手伝いができればと思います。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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