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症候群とは

扉絵

使われ方

「症候群」という言葉の使われ方は

医学心理学では異なります。

 

つまり

ひとくちに「症候群」と言っても

大きく2通りの異なる意味があるのです。

医学では

医学では、症状のくくりで「症候群」という言葉が用いられます。

 

「症候群」の中には

診断名になっているものもありますし、

今のところなっていないものもあります。

 

診断名というのは

治療のターゲットとして定める際に使われるものです。

心理学では

心理学では、なにかしら特徴的な心理状態が持続するものを指します。

 

とは言っても、

最初は心理学者に限らず、医師や、社会学者、一般の人が名づけて、

「それはまさしく心理状態を説明している」と広まったあとに

心理学で扱われるようになるという流れが多くあります。

医学と心理学は重なるところがある

特にどちらも心の健康に関わる

精神医学と臨床心理学の間では重なるところが大きいと思います。

 

お医者さんが心理学的な意味での「症候群」を使うこともあります。

心理支援職が医学的な意味の「症候群」を使うこともあります。

領域にこだわりすぎる必要はないのです。

 

ただし

医学的な診断という行為が許されているのはお医者さんのみです。

英語ではシンドローム

医学的な意味、心理学的な意味、そして重なる部分があることについて

述べてきたのですが、

実際、例えば検索してみると、どちらも混在して出てくることでしょう。

 

このややこしさは日本に限ったことではなく

海外でも同様のようです。

症状のくくりも、心理状態も、

どちらも英語で「シンドローム(syndrome)」なのです。

シックハウス症候群

シックハウス症候群とは、

新しい建物などの建材から出る化学物質で人体に生じる症状の総称です。

めまいや吐き気など

ひとつの症状ではなく、原因によるくくりです。

 

現在2021年時点で医学の診断名とはなっていません。

これは推測ですが、あくまで原因によるくくりであり、

ひとつひとつの症状はシックハウス症候群を特徴づけていないからでしょうか。

 

建築に携わる人になじみがあるとともに、

建築学と医学の重なるところにある症候群と言えるかもしれません。

青い鳥症候群

青い鳥症候群というのは、

「ここではないどこかに行けば、幸せになれる」

という心理が続く状態とされます。

 

心理学における「症候群」に分類できます。

 

精神科医の清水将之先生が提唱しました(1983)。

お医者さんが提唱しましたが、

医学に属さず診断名にもなっていません。

 

由来は、モーリス・メーテルリンクの童話「青い鳥」の作中で

チルチルとミチルが

ここではないどこかに幸せの青い鳥がいるだろうと思って

旅を始めたことだそうです。

心理学の症候群について

心理学の症候群について押さえておくべきことがあります。

それは

その心理状態を他の誰からも評価をすることは基本的にはできない

ということです。

 

青い鳥症候群を例に挙げますが、

「ここではないどこかに行けば、幸せになれる」

というのが

果たして本当かそうじゃないかは誰にも分からないのです。

 

他者からの「そういう症候群なんじゃないか」といった

評価を含む指摘はむしろ害になることが多いでしょう。

ひらたく言うと、

心の内面まで分かっていない他者からの決めつけは

本人に良い影響を及ぼさないということ。

 

こうした生き方に繋がる部分では本人の判断が重要です。

 

自分で「自分は青い鳥症候群な面もありそうだ」と考えるのは良いです。

ですが、症候群の知識が何か答えをくれるわけではありません。

得られるとしたら、考える足がかりです。

生き方に関しては本人の主体的な心によるということが望ましいでしょう。

 

私はいたしませんが、時には

カウンセリングでカウンセラーから

「〇〇症候群というのを知っていますか?」のような

情報の提示があるかも知れません。

指摘ではなくあくまで情報の提示です。

それが一緒に考える足がかりになるのなら良いと思います。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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